くらしラボPlus 運営者の「まっしゃん」です。
大型犬の子犬を迎えたばかりの方や、ぐんぐん大きくなる愛犬を見守っている飼い主さんにとって、この子が最終的にどのくらいの大きさになるのか、そしてその成長がいつ止まるのかは非常に気になるポイントですよね。
小型犬とは違って体が大きい分、関節への負担や食事の量など、心配ごとも多いのではないでしょうか。私自身もいろいろと調べていく中で、大型犬ならではの成長の仕組みや注意点がたくさんあることに気づかされました。
この記事では、そんな疑問や不安を解消するために必要な情報をわかりやすく整理してお伝えします。
👉記事のポイント
- 1 大型犬の成長が止まる具体的な時期と仕組み
- 2 月齢ごとの適切な食事管理とフード切り替えのタイミング
- 3 成長痛や関節トラブルを防ぐための運動ルール
- 4 体だけでなく心の成長と落ち着く時期について
大型犬の成長はいつまで続くのか仕組み

小型犬があっという間に成犬のサイズになるのに対し、大型犬や超大型犬は長い時間をかけてゆっくりと体が完成していきます。
「もう大人かな?」と思っても、体の中ではまだ骨を作っている途中だったりするのが大型犬の特徴です。ここでは、体重の増え方や骨の成長など、体の内側で起きている変化について、生物学的な視点も少し交えながら詳しく見ていきましょう。
- •大型犬の体重推移と成長曲線の特徴
- •種類による成長完了時期の違い
- •骨の成長と体高が決まるタイミング
- •成長痛と関節疾患のリスク期間
- •精神的に落ち着く時期と恐怖期
大型犬の体重推移と成長曲線の特徴
大型犬の成長は、ただ右肩上がりに一定のペースで大きくなるわけではありません。専門的には「シグモイド曲線」と呼ばれる、少し平らなS字型のカーブを描いて成長していきます。このプロセスは大きく分けて3つのフェーズで理解すると分かりやすいですよ。
1. 指数関数的成長フェーズ(0〜4ヶ月)

生まれた直後から生後4ヶ月頃までは、細胞分裂がものすごい勢いで行われる「急速成長期」です。この時期の子犬は、寝て起きるたびにひと回り大きくなっているような感覚すらありますよね。体重グラフの傾きが最も急になる時期です。
2. 線形成長フェーズ(4〜12ヶ月)
生後4ヶ月を過ぎると、成長速度はある程度一定になります。グラフ上では直線的に体重が増えていく時期です。
ここで重要なのが、「早く大きくしたい」からといってご飯を与えすぎて、この直線の角度を急にしすぎないことです。骨が伸びるスピードよりも体重増加が早すぎると、未熟な骨に過度な重さがかかり、将来的な関節トラブルの原因になります。
3. 減速フェーズとプラトー(12〜24ヶ月以降)
1歳を過ぎると成長のスピードはグッと落ち(減速)、やがて横ばい(プラトー)になります。しかし、体重の増加が止まったからといって、体の完成ではありません。ここから時間をかけて骨密度を高め、筋肉を充実させていく重要な仕上げの期間に入ります。
成長管理のポイント
大型犬の成長管理で大切なのは、「最終的なサイズ」と「成長のスピード」を分けて考えることです。早く成犬サイズに到達させることが良いことではありません。むしろ、成長曲線をあえて緩やかにし、ゆっくりと大きくすることが、丈夫な骨格を作る秘訣なのです。
種類による成長完了時期の違い

ひとくちに「大型犬」といっても、犬種によって成長のマラソンコースの距離は異なります。例えば、人気のあるラブラドール・レトリバーと、さらに大きなバーニーズ・マウンテン・ドッグでは、ゴールのテープを切るタイミングが大きく違います。
ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーのような一般的な大型犬の場合、体の高さ(体高)は1歳ごろにほぼ決まります。しかし、そこから筋肉がついてガッチリとした大人の体つきになる「身体的成熟」には、1歳半(18ヶ月)ごろまでかかります。
一方で、グレート・デーンやバーニーズ・マウンテン・ドッグのような「超大型犬(ジャイアントブリード)」の場合は、さらに時間がかかります。彼らの成長はまさに長距離走です。
| 犬種カテゴリー | 骨格の成長目安 | 完全な成熟(筋肉含む) |
|---|---|---|
| 大型犬(ラブラドール等) | 14〜18ヶ月 | 約2年 |
| 超大型犬(バーニーズ等) | 18〜24ヶ月 | 3〜4年かかることも |
特に超大型犬の飼い主さんからは、「2歳や3歳になっても、まだ胸板が厚くなってきている気がする」という話をよく聞きますが、これは勘違いではなく事実です。彼らは数年かけてゆっくりと「体が満ちていく(Fill out)」のです。
骨の成長と体高が決まるタイミング
身長(体高)の伸びが止まるのは、「骨端板(成長板)」と呼ばれる骨の端にある軟骨部分が閉じるタイミングです。レントゲンで見ると骨と骨の間に隙間があるように見えるこの部分が、カルシウムが沈着して硬い骨へと変化することで、骨の伸びが物理的にストップします。
ここで知っておくべき重要な事実は、「全ての骨が同時に完成するわけではない」ということです。骨端板の閉鎖は、場所によって時期がバラバラです。
- 肩甲骨など:生後5ヶ月頃までに比較的早く安定します。
- 膝や股関節周り:生後12ヶ月頃まで成長が続きます。
- 前足の手首(橈骨・尺骨の遠位端):最も遅く、生後18ヶ月近くまで閉じないことがあります。
見た目だけで判断しない

生後10ヶ月くらいで見た目は立派な成犬に見えても、前足の骨の中身はまだ柔らかい軟骨が残っている「子犬」の状態かもしれません。この時期に、フリスビーのキャッチや高い場所からの飛び降りなど、前足に強い衝撃がかかる運動を繰り返すと、骨の変形や早期の関節炎を招く恐れがあります。
成長痛と関節疾患のリスク期間

成長期に特有の悩みとして知っておきたいのが、「汎骨炎(はんこつえん)」、一般的に「成長痛」と呼ばれるものです。主に生後5ヶ月から1年半くらいの間に発症しやすく、突然足を引きずったり(跛行)、足を触ると痛がったりすることがあります。
この病気の不思議な特徴は、痛みが移動することです。「昨日は右前足を痛がっていたのに、今日は左後ろ足を痛がっている」というような「移動性跛行(Shifting leg lameness)」が見られたら、この汎骨炎の可能性があります。これは骨の急速な成長に代謝が追いつかず炎症が起きるもので、多くは成長とともに自然に治まりますが、痛がっている間は安静が必要です。
また、大型犬は「股関節形成不全」や「離断性骨軟骨炎(OCD)」などのリスクも抱えています。これらは遺伝的な要素もありますが、成長期の急激な体重増加、滑りやすいフローリング床での生活、そして栄養バランスの乱れといった環境要因も発症に大きく関わっています。
精神的に落ち着く時期と恐怖期
体の成長だけでなく、心の成長についても触れておきましょう。大型犬は「体は大きいのに中身は甘えん坊の子犬」というギャップのある時期が長く続きますが、行動面でもいくつかのステップを踏んで大人になっていきます。
特に飼い主さんが戸惑いやすいのが「恐怖期」です。これは野生時代の名残で、警戒心を高めて身を守ろうとする本能的な時期だと言われています。
第一恐怖期(8〜11週齢)
新しい家に迎えられる時期と重なります。この時期に強い恐怖(例えば痛い注射や怖い犬に追いかけられるなど)を経験すると、一生のトラウマになりやすいので、優しく守ってあげることが大切です。
第二恐怖期(6〜14ヶ月齢)
いわゆる「思春期」に訪れます。昨日まで平気だった散歩コースの看板や、帽子をかぶった人を急に怖がったり、警戒して吠えたりすることがあります。これは脳が発達し、危険を察知する「闘争・逃走反応」が敏感になっているためです。
恐怖期の接し方
突然怖がりになっても、「なんでそんなのが怖いの!」と叱ったり、無理やり近づけて克服させようとしたり(フラッディング)してはいけません。「大丈夫だよ」と落ち着いて接し、その時期が過ぎるのを待つことで、自然と自信を取り戻していきます。
精神的に完全に落ち着いて、大型犬らしいどっしりとした振る舞いができるようになるのは、体が完成するのと同じく2〜3歳頃と考えておくと、日々のイタズラにも心に余裕を持って接することができるかなと思います。
大型犬の成長はいつまで食事管理が必要か
「体を作るのは食事」と言いますが、大型犬の場合は特にその内容とタイミングが重要です。「いつまでパピーフードをあげるべきか」「量はどのくらいがいいのか」、間違った常識に惑わされないための具体的な食事管理について解説します。
- •パピーフードのご飯はいつまでか
- •成長期における餌の量とカロリー
- •散歩時間の目安と運動制限のルール
- •避妊去勢後の体重管理の注意点
- •大型犬の成長はいつまでかのまとめ
パピーフードのご飯はいつまでか
「もう1歳になったから成犬用フードに変えようかな?」と考える飼い主さんも多いですが、大型犬の場合は少し待ったほうがいいかもしれません。先ほどお話しした通り、大型犬は1歳を過ぎてもまだ骨格の成長が続いているからです。
一般的には、成長が著しく緩やかになる14ヶ月から24ヶ月頃までは、大型犬用に調整されたパピーフード(またはジュニア用フード)を続けることが推奨されています。小型犬が10ヶ月程度で切り替えるのと比較すると、倍近い期間が必要なんですね。
切り替えを検討するサイン:
- 週単位での体重増加が止まり、横ばいになった時
- パピーフードの規定量を与えていても、少し太り気味になってきた時
- 去勢・避妊手術を行い、代謝が落ちたと感じる時
成犬用フードはパピーフードに比べてカロリー密度が低く設定されています。まだ成長のためのエネルギーが必要な時期に早く切り替えすぎると、栄養不足になる可能性もあるため、愛犬の体型を見ながら慎重に判断しましょう。
成長期における餌の量とカロリー
大型犬の子犬を育てる上で最も大切なルール、それは「太らせすぎないこと」です。「子犬だからたくさん食べさせて大きくしなきゃ」という親心は、大型犬においてはリスクになりかねません。
過剰なカロリー摂取は、骨格がそれを支える十分な強さを持つ前に、脂肪と筋肉で体重を重くしてしまいます。これは建設中のビルの基礎が固まる前に、上の階をどんどん増築していくようなものです。
理想は「痩せ気味(Lean)」をキープすること。見た目ではあばら骨が見えなくても、手で触ると簡単に骨の感触がわかるくらいがベストな体型(ボディコンディションスコア 4/9程度)です。
カルシウムのバランスが命

特に注意したいのがカルシウムです。大型犬の子犬は、腸でのカルシウム吸収調整機能が未発達で、食事に含まれるカルシウムを必要以上に吸収してしまう性質があります。
サプリメントの追加はNG
良かれと思ってカルシウムのサプリメントや牛乳などを追加するのは避けましょう。過剰なカルシウムは骨の代謝異常を引き起こし、逆に骨格形成不全の原因になります。公的なガイドラインでも、成長段階やサイズに合わせた適切な栄養バランスの重要性が指摘されています。
散歩時間の目安と運動制限のルール

運動は筋肉をつけるために大切ですが、やりすぎは禁物です。特に骨端板が閉じていない時期に、激しい運動を繰り返すと関節を痛める可能性があります。
よく「月齢 × 5分」という散歩時間の目安(例:4ヶ月なら20分、1日2回まで)を耳にしますが、これには厳密な科学的根拠があるわけではありません。しかし、「子犬のうちは無限に体力を使い果たしてしまうので、飼い主が制限してあげるべき」という指針としては非常に有用です。
避けるべき運動(18ヶ月頃まで):
- 飼い主のジョギングに付き合わせる長距離走
- アスファルトの上での強制的なリードウォーク
- フリスビーやボール遊びでの急激なターンやジャンプ
- 階段の頻繁な昇り降りや、高いところからの飛び降り
推奨される運動:
- 芝生や土の上での自由運動(自分のペースで休める状態)
- 水泳(関節への負担が少なく、全身運動になる)
- ノーズワークなどの嗅覚を使った遊び
特に体力が有り余っている元気な犬種の場合は、体を疲れさせることよりも、知育玩具やおやつ探しゲームなどで「頭を疲れさせる」工夫をすると、関節を守りつつ満足させてあげられますよ。
避妊去勢後の体重管理の注意点
避妊や去勢手術を行うと、ホルモンバランスの変化によって基礎代謝が落ち、太りやすくなる傾向があります。手術をした後は、これまでと同じ量のフードをあげていると、あっという間に体重が増えてしまうことがよくあります。
術後は体重の推移をこまめにチェックし、体重が増え始めたらフードの量を1〜2割減らすか、低カロリーな去勢・避妊犬用フードへの切り替えを検討してください。
ただし、手術をした時期がまだ生後6〜10ヶ月などの成長期真っ只中である場合は、カロリーを減らしつつも、骨の成長に必要なミネラルやタンパク質は確保しなければなりません。「ダイエット用フード」にいきなり切り替えるのではなく、獣医師さんと相談しながら、成長と体重管理のバランスを取っていくことが大切です。
大型犬の成長はいつまでかのまとめ
記事の要点まとめ
- 大型犬の骨格的な成長は18ヶ月〜24ヶ月頃まで続く
- 筋肉がついて完全に成熟するには3〜4年かかることもある
- パピーフードは成長が止まる1歳半〜2歳頃まで続けるのが一般的
- 関節を守るため、1歳半までは激しい運動やジャンプを控える
- 「早く大きくする」ことよりも「ゆっくり健康に育てる」意識が重要
大型犬との暮らしは、その成長期間が長い分、日々の変化を見守る楽しみも長く続きます。「大型犬 成長 いつまで」という疑問に対しては、焦らずじっくりと、その子その子のペースに合わせて付き合っていくことが一番の答えかもしれません。愛犬が健康で立派な成犬になれるよう、食事と運動のバランスに気をつけながら、この貴重な成長期を楽しんでくださいね。
※本記事の情報は一般的な研究データに基づきますが、個体差があります。愛犬の健康状態や成長に関する具体的な判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。



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